地域を越えて語り継がれる


徳山で始まった顕彰の動き

子どもたちに伝えたい
 櫛浜は江戸時代のころから、漁業と商業が盛んで、現在でも旧道沿いには、当時の面影を残す旧家の家並みをいたるところに見ることができます。
 地区の若手地域活性化グループ「華雲塾」では、姿を消しつつあるこの家並みの風景を写真に残しておこうと、旧家を訪ね歩くうちに、村井喜右衛門の存在が浮んできました。調べを進めるうちに、地元櫛浜ではあまり知られていない喜右衛門の活躍が、オランダ船を引き揚げた長崎県香焼町で紙芝居や人形劇にされ、伝承されていることがわかりました。華雲塾では、櫛浜の子どもたちにも喜右衛門の偉業を知ってもらいたいと、喜右衛門の子孫で画家の村井周作さんなどの協力で、今年の6月に紙芝居を完成させました。今後、小学校や幼稚園、保育園などに配る予定にしています。
 また7月には、塾のメンバーを中心に徳山市中央図書館で喜右衛門の足跡をたどる展示会を開き、香焼町を訪れて撮影した写真や引き揚げの様子を伝える資料などで、喜右衛門の偉業を紹介しました。

ホームページで紹介
 インターネットを使って、全国に向けて村井喜右衛門を紹介しているのは、喜右衛門研究家のきえもん(HN)さん。「2000年の日蘭交流400周年を機会にホームページを開設し、反響のメールを多くいただきました。今後はエリザ号の行方などを調べ発表したいです」。ホームページアドレスは、http://www.geocities.co.jp/Bookend/6712/

香焼町にまけるな!
 櫛浜の八千代座歌舞伎では村井喜右衛門を題材にした芝居の上演を決め、現在、地区の敬老会に向けて熱心な稽古が行われています。座長の米藤千津子さんは「今、櫛浜ではいろんな形で盛り上がっていますが、これがブームとなって、多くの人に喜右衛門さんの偉業を知ってほしいですね。香焼町の方が取り組みは先でしたが、こちらも負けないように頑張りたいです」と話します。


香焼町を訪れ偉業を再認識
櫛浜地域活性化グループ「華雲塾」浜田心仁さん
 村井喜右衛門について興味を持つようになったのは、櫛浜の古い家並の風景を写真に撮るようになってからです。
 喜右衛門の偉業を知るにつれ、地元ではあまり知られていないのを残念に思っていましたが、今年の3月、喜右衛門ゆかりの地を撮影するため、長崎の香焼町を訪ねて驚きました。町では郷土の英雄として、喜右衛門の偉業を絵本や紙芝居、人形劇などで大々的に取り上げ、語り継いでいました。
 これをきっかけに櫛浜でも、紙芝居をつくることになり、また、香焼の人たちともつながりができました。これからも、市民レベルでの交流を続けていきたいと思います。


未来へつなごう先人たちの偉業
 徳山市と香焼町は、ともに古くから海や港で栄えてきたまちで、村井喜右衛門をはじめ、海を舞台に活躍した多くの人たちの努力によって発展してきました。
 先人たちの苦労を知り、ふるさとを見つめなおすことは、これから先の自分たちの住むまちを考えるうえでも大切なことだと思います。
 中央図書館2階のカウンター横に、香焼町の梅原喜一郎さんが作った精巧な引き揚げの模型があります。図書館へお寄りの際は、ぜひご覧になり、当時の様子に思いをはせてみてはいかがでしょうか。  


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