端午の節句

5月11,12日に療養病棟において、端午の節句を行いました。
*プライバシー保護の観点から、一部画像処理を施しています。


若い力が試される時。・・・ここに来る。2000年5月12日。平均年齢20.3歳の
若人3名の主催による”端午の節句”行事が初々しさとともに開催された。
”男の子の日”だけに、男3人とむさ苦しさは否めないが、勢いと情熱だけは
持っているという精鋭(?)達。
その精鋭達がオープニングとして選んだのは全員合唱。曲目は”鯉のぼり”
”金太郎””富士山”と情熱的とは程遠い無難な曲ばかり。しかも”富士山”は
端午の節句との絡みが今イチ理解できない謎めいたものだった。


全員合唱も終わり、ついにゲームのスタート。ゲーム一番手は”恋の一本釣り”
ではなく”鯉の一本釣り”。内容は非常に簡単で、足元に散らばっている鯉達を
釣るというモノ。当然普通に釣り針など使うわけはなく、鯉の口にはクリップ、
釣り針の代わりには磁石を取り付け、ADL(日常生活動作)レベルの低い方々
にも楽しんで貰えるように工夫されていた。簡単なゲームではあったが意外に
これが大盛況。思ったよりも磁力が弱かった為、折角ヒットしても上手い具合に
釣り上げないと逃げられてしまうのだ。この妙な難しさが患者さん達に受けていた。
こうして大盛況のうちに”鯉の一本釣り”は終わりを迎えた。


この盛り上がった流れを味方にすべく、すぐさま第二のゲームがスタートした。
二番手のゲームは”こっちこいゲーム”。捻りの欠片も見られないネーミング。
しかしそんな冴えないネーミングとは裏腹に、このゲームもかなり盛り上がった。
対抗するチーム間中央にラインがあり、その上に”かしわ餅””鯉””ちまき”を
並べ、新聞紙を丸めた棒でライン内へ引き入れるというものだった。
(”かしわ餅”等は我が病棟アイドル?が布で丹精こめて作ったものです。
非常に良い出来映えでした。)
制限時間が設定されていた為、両チーム間でかなり激しいバトルが展開されていった。
(かなりみんな本気でした。)


結果発表の段階で主催者側から突如”個別点数制”が発表された。”個別点数制”
とは、”かしわ餅””鯉””ちまき”にそれぞれ設定点数が存在し、それらの合計で
勝敗が決するというものだった。個数の少なかったチーム側は大喜び。多かった
チームには正に青天の霹靂。緊迫した空気の中結果発表。
見事少なかったチームの逆転勝利!と思いきや、なんと主催者側の計算間違い。
またまた逆転で多く取ったチームの勝ちとなった。若いくせに腹が立つくらいの
策士ぶり。いやいやもう脱帽。そんなこんなで非常に盛り上がったゲームは惜しみ
無い賛美とともに終了を迎えた。

そしてホッと一息。休憩時間の始まり。ヤクルトとポン菓子による楽しい
一時。特にポン菓子は昔懐かし感慨深しの食べ物だったようで大好評だった。
休憩も終わり、これまでの行事では試みた事が無かった”紙芝居”が始まった。
題名は”うまいものやま”。見事なまでにぜんぶ”ひらがな”。題名だけでも
期待薄な紙芝居が始まった。あらすじは、食べ物の好き嫌いが多い若者が彼らの
父母の機略によって何でも食べられるようになるという落ちの欠片も見られない一品。
(作者様スイマセン)こんな一品を我らが精鋭三人衆と看護婦の力で周富徳ばりの
一品に変えてしまった。ナレーションと登場人物の会話を別々の人間が行ったのだ。
それだけでは大したものでは無いのだが、ひとりひとりの役者ぶりには舌を巻いた。
まあ上手いこと上手いこと。感情の入り加減が非常に良くて市原悦子もビックリ。
紙芝居終了後、昔の紙芝居屋さんの話を聞き出す等、主人公の父母並みのすばらしい
機略も披露した。
そんなこんなで見事に高級中華料理へと変身を遂げた一品は、患者さんに大好評
だった。終わりを惜しむ声もちらほら聞こえてくるなか、遂に最後のイベント”
誕生日会”が開かれた。ひとりひとりの名前を呼び、手作り誕生日カードを渡す。
カードを渡される瞬間のひとりひとりの笑顔。
『やって良かったなぁー』と思える瞬間。職員みんなで歌った”ハッピーバースデイ”
完璧にバラバラだった。こうして”端午の節句”行事は幕を閉じた。
若い力は大きかった。彼らは入社二年目と新入社員。場数も経験も極めて少ない三人が
ここまでやってくれた事に感謝、感激。我々に彼らぐらいのパフォーマンスが出きるの
だろうか。短い期間でよくもここまで、という感動と同時に若手の台頭に焦りを覚える
複雑な一日であった。